METAL GEAR2
SOLID SNAKE
1999年、世界はエネルギー危機に直面していた。
石油が予想以上に早く枯渇することは明白だったが、
その代替エネルギー開発の目処はいまだに立っておら
ず、原油は高騰して世界経済は混乱し、21世紀は
混迷の世紀となるかに思われた。
その事情を一変させたのが、チェコの天才生物学者
キオ・マルフ博士の発明、高純度の石油を精製する
微生物「OILIX」だった。エネルギー危機を解決
する救世主の発見に人々は大きな希望を寄せ、同時
に世界はこの新種の微細藻類をめぐった新たな緊張
状態に突入した。
だが、世界の注目がOILIXとマルフ博士へと集まる
中、彼は何者かに拉致され行方不明となってしまう。
即座に各国は操作を開始し、ほどなくある名前が浮
かびあがった。…「ザンジバーランド」。
ザンジバーランドは1997年、中央アジアの民族自治
区に突如出現した民族主義的軍事政権だった。彼等
の蜂起に対し、ロシアを中心とするCIS軍はすぐさま
鎮圧部隊を派遣したが、ザンジバーランドは世界各国
から多くの傭兵をまねき入れると同時に、国土の大半
を要塞化してこれに対抗した。結果、CIS軍は
ことごとく撃破され、ザンジバーランドは独立を宣言
した。傭兵達の活躍からこの戦争は傭兵戦争と呼ばれ、
ザンジバーランドは武装要塞国家という異名を
得ることになった。数多の精強な傭兵達を擁し、
強固な要塞に囲まれた軍事国家…。さらに最新の情報
では、ザンジバーランドは核武装までも果たして
いると言う。もはや自体は明白だった。核兵器に加え
OILIXを手に入れることで、ザンジバーランドは
世界に対し経済的・軍事的優位を確保しようとして
いるのだ。
自体を憂慮した合衆国は、ハイテク不正規戦部隊
FOX HOUND総司令官ロイ・キャンベルにマルフ博士
の救出を命令した。キャンベルは、元FOX HOUND
隊員で、4年前武装要塞国家アウターヘブンをたった
一人で陥落させた男、ソリッド・スネークを呼び戻し、
マルフ博士とOILIXの奪還を依頼する。
ザンジバーランドへの潜入に成功し、CIAのエー
ジェント、ホーリーらの協力で要塞深く潜入した
スネークは、アウターヘブンでメタルギア開発に
従事していたペトロヴィッチ博士と再開する。彼も
またザンジバーランドに拉致され、この地でメタル
ギアの開発をさせられているという。驚くスネーク
に、ペトロヴィッチはさらに衝撃的な事実を告げる。
ビッグボス。かつてスネークがアウターヘブンで倒
したはずのその男こそが、ザンジバーランドの総指
揮官だというのだ。
スネークは、マルフ博士の護衛で博士救出のために
潜伏していたナターシャと協力してペトロヴィッチ
を助け出し、要塞奥の収容所へ博士の救出に向かう。
深い谷にかかった細い吊橋をペトロヴィッチが渡り、
続いてナターシャが渡ろうとしたその瞬間、飛来し
たミサイルが橋を吹き飛ばした。爆風でナターシャ
の体が宙に舞う。なす術もなくナターシャの最期を
看取ったスネークの耳に、聞き覚えのある声が響く。
「どうだ、スネーク。昔のよしみだ。ここは見逃し
てやってもいい。さっさとここから立ち去れっ!」
グレイ・フォックス。そこにはメタルギアを操る
グレイ・フォックスの姿があった。アウターヘブン
陥落後ビッグボスの後を追うように消息を絶った、
FOX HOUND最高の兵士…。
目前でナターシャを失い、ペトロヴィッチも連れ
去られたスネークが絶叫する。
「フォックス!俺は絶対に諦めんぞ!」
数々の傭兵達との激闘を越えて、遂にスネークは
マルフ博士の収容所にたどり着いた。だが彼がそこ
でみたものは、博士の遺体と、その場に立ち尽くす
ペトロヴィッチの姿だった。心臓に持病をかかえた
マルフ博士は重度なる拷問に耐えることができなかっ
たのだとペトロヴィッチは語る。その時、ホーリー
から緊急連絡が入った。彼女のもたらした情報は驚
くべきものだった。ペトロヴィッチは以前から自主
的にザンジバーランドへ出入りしてメタルギア開発
を進めていた。マルフ博士の誘拐もペトロヴィッチ
自身が手引きしたものだったのだ。真相を暴かれ、
スネークに襲いかかるペトロヴィッチ。スネークは
これを一蹴し、OILIXの設計図を入手した。
だが脱出を図るスネークの前に、再びメタルギアを
駆りグレイ・フォックスが立ちはだかる。地下基地内
で繰り広げられる壮絶な死闘。そして遂にスネークは
メタルギア破壊に成功する。
しかしグレイ・フォックスはなおも屈せず、スネーク
に最後の戦いを挑む。地雷原のただ中でM己の肉体
だけを武器に戦うフォックスとスネーク。敵意も殺
意も怨恨もない徒手空拳の果たし合い。奇妙に澄み
渡ったその時間、二人は言葉も感情も超越した絆で
結ばれていた。
スネークはグレイ・フォックスとの激しくも純粋な
戦いを制す。だが彼にはまだ戦わなければならない
相手が残っていた。ビッグボス。4年前のアウター
ヘブンと同じく、彼はスネークを待ち受けていた。
戦闘の緊張感を一度味わった者は、二度と戦場から
は離れられない。自分はお前達がただ一つ生き甲斐
を感じる事の出来るもの=戦争を与えてやっている
のだ。傲然と語るビッグボスにスネークが吠える。
「俺の戦いはただ一つ、貴様から自由になるため、
悪夢を払うために、…ビッグボス、貴様を倒す!」
OILIXの設計図を手に、ホーリーと共に救助のヘリ
でザンジバーランドを脱出するスネーク。世界は
確かにその手によって救われた。しかし彼に笑顔は
なかった。脳裏にビッグボスの最後の言葉がこだま
する。
「どちらが勝っても我々の戦いは終わらない。敗者
は戦場から開放されるが、勝者は戦場に残る。そし
て生き残ったものは死ぬまで戦士として人生を全う
するのだ」
やがてスネークは独りアラスカの氷原に消えた。